少し更新が滞ってしまったので、目新しい話はないかもしれないけれど、思ったことを少し書いてみようと思う。

テーマは「司法書士がホームページによる集客で食えるのか」である。とくに仕事の入るあてがある場合を除き、独立開業したとして経営が成り立つだけの収入が得られるかというのは、非常に興味のある(というか、非常に心配な)ところだろう。

最初に結論からいってしまうと、現在ではウェブによる集客のノウハウを持たない人が、お金をかけずにホームページなどで集客するのは極めて困難だと思われる。

他に司法書士のホームページが存在しない場所が存在するならば、そこで開業しホームページを開設すれば集客は可能かもしれない。しかし、そのような場所の商圏人口は極めて少ないだろうから、満足のいく収入を得ることは難しいだろう。

だとすれば、既に他の司法書士によるホームページがある場所で開業するしかないわけだが、独立開業したての司法書士事務所がそこでどうやったら仕事を取れるのだろうか。

1つの方法は、ホームページの作成、SEO対策、リスティング広告の運用などを信頼できる業者に依頼することが考えられる。司法書士事務所を開業する前から上記についての知識や経験があるなら別として、開業してから自分で勉強するなんてやり方では、満足に集客できるようになるまでに何年もかかるはず。

それならば、ホームページ作成に数十万円、その後の月々の運用に数万円など、それなりのお金をかける覚悟があるならば比較的早い時期に集客が可能になるかもしれない。ただし、どこの業者を選ぶかの選択は難しいところだし、失敗すれば無駄金を使うだけで全然集客できない恐れもある。

自分で何とかしたいというならば、開業する前から独自ドメイン名を取得し、WordPressでブログを作成するなんてのは有効かも。そのブログで1日に数百のユーザー数を集められるくらいになっていれば、開業と同時にそのドメインのトップページを事務所ウェブサイトにすれば最初からそれなりに集客できるかもしれない。

そんなこと自分でするのは無理だと思うならば、業者に頼まずに自分で集客するのは無理だと考えるべきだろう。自力でインターネットによる集客を10数年続けている私でも、最近では狙ったキーワードで検索上位に表示させるのは難しくなったと感じている。つまり、素人が自分でやるSEO対策では、既存の司法書士事務所によるサイトに全く太刀打ちできないということ。

ちなみに当事務所が所在する市の人口は50万人弱で、周辺地域を合わせた商圏人口は100万人を超えているはず。そんな地域で、ひたすらネットによる集客に力を入れ続けていても、何とか人並み程度には食えているという状況。現状ではいくら頑張っても、仕事が増えすぎて手に負えないなんてことにはならないと思われる。

新規の問合せは1日に3,4件は入るのが通常だが、そのうち1件がご相談予約に繋がればいいといったイメージ。問い合わせが増えれば増えるほど、仕事につながらないものが多くなり、業務の妨げになったりして。

電話のみによる相談は受けないとしつこく書いておいても、「簡単なことだから教えて欲しい」なんて電話も多いし、事務所の場所すら確認しないで電話をかけてくる人も珍しくない。最近話題の「もっと言ってはいけない (新潮新書)」によれば、「日本人の3人に1人は日本語が読めない」なんて話もあるが、まさにその通りだと思うしストレスがたまる。

とりとめない感じの話になってきたので今回はこの辺で終わりにしようと思うが、「ホームページによる集客で食えるのか」と再び考えると、これから開業しようとする司法書士が食っていくのはやはりなかなか難しいように感じる。

ただ、司法書士事務所の場合には、他の士業(弁護士、税理士、行政書士)などと比べて、まだまだネットによる集客はそれほど競合が激しくないはず。その中で、圧倒的なSEO対策をおこなっている事務所も存在するので、そういった事務所がある場所を避けて開業すれば、まだ十分に行けるような気もする。

しかしながら、最近では他店舗展開している弁護士法人の支店がいきなり進出して来るなんてこともあり、そうなると全く太刀打ちできなくなるかもしれないから、現時点でのブルーオーシャン的な場所を見つけたからといって安泰ではないはず。考えれば考えるほど難しいようにも感じるのだけれど、後はもう貴方次第というしかないか。