全盛期に比べると激減してはいるものの、今でもときおり過払い請求のご相談をいただく。本日はクレジットカード会社2社に対する、完済後の過払い金返還請求を受任。最初の借入の時期が8,9年前とのことなので、過払い金があったとしても僅かだと思われるが、とりあえず調査だけでもしてみることに。

当事務所では完済後の過払い請求については、現実に過払い金が返還された場合のみ報酬をいただいているので、たとえ過払い金が存在しなかったとしてもご依頼者が損をすることは無い。また、すでに完済して解約しているものについては、信用情報に問題が生じることもないので、ご依頼者にとってのデメリットは何も無いわけだ。

最近でも過払い請求のご相談があるのは、大手(?)の弁護士や司法書士事務所によるテレビCMの影響がやはり大きいようだ。今回のご依頼者もテレビで年中やっているので、自分も相談してみようと思ったとのこと。誰にでも100万円とかの過払い金が存在するかのように誤認させるのは明らかに問題だが、そのような広告宣伝により需要が掘り起こされているのは事実なのだろう。

某大手消費者金融の担当者が話していたところでは、過払い請求の件数は今でも非常に多いとのことである。多いといっても以前よりは減っているはずだし、どの程度変動しているのかはよく分からないが。ただ、一般の弁護士や司法書士からの請求はほとんど無くなっており、過払い請求の大部分がテレビCMをやっているような事務所からだというのだ。

この話には大いにうなずける。当事務所のすぐ近くにはそのような事務所が存在しないので、過払い請求をしたいと思った人が「過払い ○○市」のようなキーワードで検索すると当事務所が上位に表示されるため、お問い合わせを頂いているのだと思われる。

もし、同じ商圏内に大手過払い事務所があるとしたら、たぶん全くといっていいほどお問い合わせは無くなっているのだろう。実際は、そんなところに頼むより地元で堅実に営業している事務所の方が良いと思うのだが、テレビCMを見て飛びつくような人がそこまで考えて事務所選びをするとは思えない。

そういう意味からすると、東京や大阪などの大都市では更に大手過払い事務所へ依頼が集中しているのだろう。東京23区に住んでいる人であれば、新宿で過払い請求の手続きができるとテレビで宣伝していれば、その事務所へ行けばいいからだ。

テレビCMをやっている大手事務所に行くことが出来るのに、わざわざ別の弁護士や司法書士を探して依頼する必要は無いのだ。今まで過払い金の存在に気付かずにいたような層の人々の中で、テレビCMをやっているような大手事務所のことを疑うような人はまずいないであろうし。

つまり、テレビCMにより狙っているターゲットは、そもそも高利で消費者金融(サラ金)や、クレジットカードのキャッシングでお金を借り、多額の過払い金が生じるくらいの長期間にわたって借入と返済を続けているような人である。

そういう人は、サラ金から借りるときも、テレビCMで見たところだから安心だと思ってしまっていた可能性が高いということ。今度は広告主が大手過払い事務所に変わっても、ターゲットとなっているのは同じような層であるわけだ。

何だか話が大きく逸れてしまったが、事実からは外れていないはず。それでも、言い過ぎだと感じた方がいらしたら失礼しました。