今年に入ってから初めての会社設立登記のご依頼があった。2017年は株式会社と合同会社を合わせて9件の設立登記のご依頼があったのに、今年は4月に入ってようやくの1件目である。

株式会社設立登記は、税理士や行政書士などによる格安な費用を売りにするウェブサイトが増えたことにより、司法書士への依頼は激減したものと思われる。それが、この数年間は不思議と会社設立登記のご依頼が入っていたのだが、再び今年は低調となっている。

単に偶然なのかもしれないし、もしくは、当事務所と競合する地域に有力なウェブサイトができたのかもしれない。さらには、自分で会社設立登記をする人が増えたという可能性もある。何にせよ、そもそもが年10件程度のご依頼しか無い業務なのだから、いつの間にか全くご依頼が無くなってもおかしくないわけだ。

会社が多数ある大都市なら商業登記の依頼も多数あるのだろうが、大都市のベッドタウン的な街にある当事務所には商業登記のご依頼はそれほど多くない。

最近のご依頼は、株式会社の本店移転および代表取締役の住所変更登記。小さな会社だと会社本店所在地と代表取締役個人の住所が同一であることも多いから、代表取締役個人が引っ越しをすると本店移転登記も必要となるわけだ。

さらに株式会社の解散および清算結了登記のご依頼もいただいた。解散の登記についてのご相談もたまにあるのだが、費用や手続きのお話しをするとそれっきりになってしまうケースが多いように感じる。

費用をかけたくないから、結局そのままにしてしまっているということだろうか。今回は手続きを進めることになったので、久しぶりに株式会社の解散および清算結了登記の手続きを受任することとなった。

他には、目的変更の登記のご依頼もたまにあるが、取締役の任期が2年だったときは役員変更登記のご依頼もけっこうあったのだけれど、最近では当事務所へのご依頼はめっきりと少なくなった。

会社の登記については、忘れた頃にやってくるようなものも多いので、調べるのに時間ばかりかかって商売的にはあまり有難くないというのが正直なところ。同じような登記が毎月コンスタントに入るならば、ある程度定型化しているのだが、商業登記に関しては会社設立を除いてはそんな感じにはならない。

そして、その会社設立登記も今年に入ってからはぜんぜんご依頼が無かったのだから、やはり商業登記を事務所経営の柱にするってのは一部地域を除いては困難であろう。事務所サイトにもう少し商業登記の情報を載せれば少しは違うのかもしれないが、どうにも商業登記を積極的にやろうという気持ちが今では起きない。

それこそ、「会社の登記専門司法書士」みたいなウェブサイトを作って商業登記に特化すればそれなりに仕事は来るような気もするが。相続とか競争が激化している分野より、新人司法書士が狙うには狙い目かもしれない。旧商法の自体に試験勉強をした我々より、近年の受験生の方が知識も確かだろうし。