今月は随分と新規のご依頼が少なかった気がする。ご依頼が入ってから報酬等の請求をし実際に入金があるまでにはタイムラグがあるし、そもそも月々の売上をリアルタイムで把握しているわけではないので、あくまでも印象なのであるが。

ちょこちょこと問合せは入るのだが、相談だけで終了してしまったり、更には無断キャンセルだったり。先日は、会社解散(および清算結了)を依頼したいとの電話があり、費用やお持ちいただくものを説明して予約を承ったのが前日のこと。

しかし、当日のご予約時間になってもいらっしゃらないし何の連絡も無い。車で来られるとのことだったので、渋滞してるのかなとか思ったりしていたが結局は無断でのキャンセルだった。

前日に相談予約を入れたばかりだというのに、翌日に無断キャンセルするなんてかなり悪質だと言わざるを得ない。「そんなんだから、会社を解散しなきゃならないような事態になるんだよ」、なんて悪態をつきたくもなったり。

債務整理のご予約だったりすると無断キャンセルは決して珍しくない。債務整理のご相談については無断キャンセルがが当たり前だとの認識があるので、「あー、また来ないか」くらいの感想しか持たない。

けれども、会社の登記についてのご相談予約で無断キャンセルというのは珍しい。少し前に、株式会社設立の相談をしたいとのご予約で無断キャンセルがあったけれども、これは会社を設立する前の人だから話は違う。

既に会社を設立して運営している人なのだから、アポイントを入れたらちゃんと守るのが当然だと思うのだが、自分がお客の立場だからどうだって良いとの感覚なのだろうか。もしかしたら、事故でもあったのかもしれないから決めつけてはならないが。

そんなこんなで中々ご依頼に結びつかないことが連続するときもあるのだが、それでも今のやり方で10年以上やってきたわけだから、いきなり100から0になることはあり得ないわけであり。

そして、ご依頼に結びつかないとしても問合せは着日に入っているし、それから、ウェブサイトへのアクセス状況を確認し大幅に減少しているようなことが無いのが分かると一安心できる。

問合せの電話もメールも入らないまま、ただただ時間ばかりが経過していったとすると、どんどん心配になり絶望的な気分にもなるかもしれない。

しかし、Google Analyticsによれば、ウェブサイトへのアクセス状況をリアルタイムで知ることができるので、アクセスがちゃんとある限りは世界から取り残されたような気分にはならずにすむ。

リアルな店舗を構えているとして、お客さんが全く来ない上に、店の前を一日中誰も通らないとしたら、もう商売を続けるのは困難だろう。しかし、人はいっぱい通り過ぎるのだとすれば、店構えやメニューの出し方を工夫するとか集客の方法はあるわけだ。

それと同じで、ネットによる集客の場合もアクセスが全く無いのでは話にならない。まずは、SEO対策を頑張るなり、PPC広告を掲載するなどして人を集めなければどうしようもない。

そして、人が集まってきたとしてそれでも問合せが無かったとすれば、それはウェブサイトの作り方やコンテンツの内容に問題があるということ。それをどう直したら良いのかを判断するのは難しいところではあるけれど、何にせよ見てくれる人が存在するってことがまずは大事。

ネットによる集客の場合には、アクセス解析がおこなえるってのが非常に大きな利点だといえるだろう。ネット以外で不特定多数の人へ働きかける方法として、チラシのポスティングをおこなっている例も見かける。

弁護士や司法書士によるのだと、かつては過払い金請求についてのチラシのポスティングなんてのがあった。当事務所の郵便受けにもそういうチラシが良く入っていたものだ。最近では、弁護士による相続関連業務についてのチラシなんてのが入ってることもある。

私はポスティングによる広告宣伝をしたことが無いので効果の程は全く分からないのだが、けっこう頻繁にそういったチラシが入っているということは少なからず効果があるのだろうか。もしくは、どうしても仕事が欲しいから手当たり次第に、いろいろな方法を試しているという例もあるのかもしれない。

ちなみに、私自身は、郵便局で配布している封筒に広告を入れたことがある。もう10年以上も前の話なので費用とか作成枚数とかは忘れてしまったが、たぶん反響はゼロだったはずだ。

それから、電車の中に貼られている、路線図の上下に店の名前などを掲示するタイプの広告も出したことがある。JRに社内に出す広告だと非常に広告費が高いが、ローカル路線にしかも共同で出す広告なので零細司法書士事務所でも支払えるくらいの金額だった。こちらもいくらだったか忘れてしまったが。

こういう広告の場合、誰かが見てくれているのかどうかも全く分からないが、たぶん広告効果は無かったのだろうと思う。

ネット以外の広告を行ったのは、いずれも今のようにネットで調べる行為が一般化する前のことである。司法書士事務所を探すのに、ネットで検索する人などまずいない時代であったから、ネット以外による広告宣伝も使おうと考えたわけだ。

それが現在では、テレビやラジオなどのCMを除けば、ネットによるのが最も有効であるだろう。ただし、ネットの場合はごく一部の勝ち組と、大多数の負け組にはっきりと分かれる傾向が顕著だと思われる。

たとえば、同じ地域(○○市、○○区など)で、同じ業務(相続登記、相続放棄など)についての集客をネットによりおこなおうとする場合、市場規模にもよるが1つか2つの司法書士事務所が独占してしまう可能性が高いと考えられる。

先行している事務所とは違った切り口の宣伝ができたりすれば、後からはじめても顧客獲得が可能なのかもしれないが、少なくともGoogle検索で1位から10位までの事務所で満遍なく仕事が行き渡るということは無いはず。

昔だったら法務局の周辺に軒を連ねて司法書士事務所を開いていれば、何となく仕事にありつけたのかもしれないが、ネットの場合には負け組には一切仕事が来ないというのが現実だろう。

そういった場合には、何とかネットの世界で勝ち組に入ろうとするのも1つの方法だが、それなりの業者に頼んでそれなりの費用を払わなくては短期間で巻き返しをするのは難しい。そんなわけで、ネットでは無くチラシのポスティングなどに活路を見いだそうと考えるというのもあるのだろう。

司法書士事務所が集客をするために何が有効なのかは分からないが、不動産登記の件数など業務の総量は減っているはずなのに司法書士の数は増えているのだから、仕事を増やすにはそれなりの努力が必要であろうことは間違いないはず。