2018/05/16のダイヤモンドオンラインに

「東大卒」の半分が失業する時代が来るとの記事があった。何の気なしに読んでみると、これから10年以内に「弁護士や司法書士を含め、いわゆる「士職業」の半分は、不要になっていくだろう」との記述があった。

「東大卒」の半分が失業する時代が来る

これから10年以内に、税理士や会計士の仕事の半分は、人工知能に置き換わっていくだろう。いや、それは、税理士や会計士の業界だけではない。弁護士や司法書士を含め、いわゆる「士職業」の半分は、不要になっていくだろう

なぜなら、「士職業」の仕事の大半は、知識修得力による「専門的知識」と「論理思考力」によって行えるものだからだ。そして、次に詳しく述べるが、「論理思考力」と「専門的知識」を活用する能力は、人間よりも人工知能の方が、圧倒的に高いからだ。

そして、この「士職業の危機」は、そのまま、「東大卒の危機」を意味している。

何故かといえば、『東大卒の人材が、論理思考力と知識修得力、すなわち「学歴的能力」だけに頼って仕事をしており、直観判断力と知的創造力、すなわち「職業的能力」、さらには「対人的能力」「組織的能力」を身につけ、磨くことを怠っていると、その仕事は、必ず、人工知能に置き換わっていき、その人材は、不要になっていくからだ』とある。

東大卒の人の「論理思考力と知識修得力」と、自分自身のそれとを比べるべくもないが、とても耳が痛い話であることは間違いない。知識修得力による「専門的知識」と「論理思考力」があれば、その他は劣っていても職業として成り立っていたのが士業だというのは事実だろう。

それこそ、普通の会社じゃ絶対に通用しないような人であっても、弁護士や司法書士なら何とかなってしまうというような。もちろん、それは上記のように『知識修得力による「専門的知識」と「論理思考力」があれば』という但し書きが付くわけであるが、それだけに頼っているような仕事のやり方ではAIに置き換えられると。

『「専門知識を憶えている」ということが大きな人材価値にならない時代になっていく』なんて言われた日には、司法書士個人が今まで培ってきた経験や知識など一瞬にしてAIに凌駕されてしまうのだろうと思うしかない。

では、どうしたら良いのだろうか。もう若くない自分としては、本当に仕事がなくなってしまうときが来るまでに、その後の老後が何とかなるくらいの蓄えを得ておくのがベストな選択かとも思ってしまう。そんな考えで逃げ切ることができるのかは分からないが、これから全く新しい世界での戦いに挑んでいく自信や気力を持つのも難しいだろうし。

終わりが見えだした年代でなければ通用しない考えではあるが、自分としてはそんな無力感にとらわれてしまう記事であった。まだまだ先の長い若手の皆さまには、新たな時代に向けて前向きに考えていただきたい。