最近の投稿で何度も書いているかとは思うが、個人の自己破産および再生手続についてのご相談が非常に多くなっている。

現在、申立準備中のご依頼が自己破産5件、再生手続2件となっており、さらに自己破産したいという方からのご相談予約が1件入っているところである。

この数年は自己破産が年に3件、再生手続が1件くらいといった感じだったので、今年に入ってからのご依頼件数はちょっと異常なくらい。

何らかのキーワードで当事務所ウェブサイトが上位表示されているなどの理由によりご相談が増えているだけなのか、当事務所に限らず全体として自己破産の件数が増えているのかは定かで無いが。

しかし、最近問題になっている、銀行からの過剰融資により総債務が増えている方が多いという傾向は明らか。そして、債務の中に奨学金の借入がある方も多い。

銀行カードローン、奨学金という、最近の大きな2つの問題が含まれているケースが多いことから考えると、たまたま当事務所へのご依頼が多いというのでなく、しばらくの間は自己破産者が増加する可能性が高いようにも思う。

銀行カードローン、奨学金による過剰融資が今後は抑制されるとしても、既に借入れをしてしまっている人は多数いるのであり、それらの人々が特別に救済されることはないだろう。

そして、銀行カードローンと奨学金はどちらも債務残高が大きいことが多いので、自己破産または再生手続によるしかないケースが大多数である。

自己破産件数が増えていることとは関係ないだろうし、当地の地裁でたまたまそうだったというだけなのだが、このところ申立後に追加提出を求められる書類等が少なめになっているように感じられる。

近年は、どうしてそこまで必要なのかと思ってしまうような書類の提出を多数求められることが多く、自己破産や再生手続は手間を考えると全く割に合わないと感じていた。

だからといって、司法書士報酬を値上げするのも避けたかったので、自分の中では「割には合わないけど司法書士の使命として仕方なくやる」という位置付けになっていた。それこそ、民事法律扶助を利用するなんて場合には、完全にボランティア感覚。

それが最近は、必要であろう補足説明などを申立時におこなっておくと、それほど多数の書類追加や補足説明を求められることが無いとの印象。

もちろん、たまたま最近に申立したものがそうだったのかもしれないし、今後もそうだとは全く限らないのだが。ただ、管財事件もやむなしと思って申立をしたのが同時廃止で済んだりということもあり。

そんなわけもあって、自己破産や再生手続のご依頼も決して割に合わないものでは無いと考えているこの頃。だからといって、ご依頼が増えるというものでは無いし、多重債務に陥る人が少ない社会であるべきなのは当然なのだが。

ただ、何かの業務のご依頼が減ると、不思議に他の業務のご依頼が増えたりするのは事実。

当事務所の場合、ウェブサイトによる集客がほとんどであることから、そのとき時に必要とされている業務がダイレクトに反映されているというのもあるのだろう。

今のやり方を続ける限り、そのとき必要とされる業務をしっかりとこなす必要があるのだから、自分自身がいつまで対応していけるのかが不安ではある。

まあそれでも、司法書士を引退するときまでは必死で頭を働かせ続けるしか無いのだろう。