ここのところ、ご依頼いただいた相続手続きのために、銀行(第二地方銀行)、信用金庫、信託銀行と様々な金融機関へ行ってきた。

ゆうちょ銀行や、いわゆるメガバンクでの相続手続きをご依頼いただく機会は多くなっているが、今回の銀行(第二地方銀行)、信用金庫、信託銀行はいずれも初めて手続きをおこなった。

小さな信用金庫などでは、「は?司法書士さんが遺産承継業務?」のような反応もあるかと思ったが、今では司法書士が代理人として遺産承継業務をおこなうのもだいぶ一般的になってきたのかと感じた。

担当者が不慣れなため確認に時間がかかったりすることはあっても、「この人何しに来たの?」みたいな反応をされることはまったく無かった。そして、残高証明書の発行依頼については、持参した委任状の他には相続人による署名押印を求められることも無し。

この委任状には事務所の所在地(住所)しか書いていないためか司法書士会発行の職印証明書を求められたが、先方の書式による残高証明書発行依頼書へは代理人が記入し押印すればよかったので、これならば残高証明書を取得して欲しいとの依頼を気軽に受けられる。

預貯金や証券等の相続手続きについては、司法書士が代理人として手続きをするのは面倒だという意識があり、出来る限り相続人ご本人がやるのが無難かと思っていたが、そろろそ意識を変えても良さそうな気がしてきた。

ただ、現時点でおこなっているのは、被相続人名義の預貯金を、相続人ご本人の口座へ振り込んでもらうのがほとんど。イレギュラーなケースでは、代理人口座へ払い戻しを受けたこともあるが、一般的な預貯金の相続手続きで相続人の口座への振り込み。

また、遺産承継業務の委任状があっても、銀行などの相続手続きの書類にご本人の署名押印等が必要だと言われれば素直に応じている。つまり、代理人というよりは、ただ単に相続人に代わって書類を持参する使いっ走り的な仕事のみである場合も多いわけだ。

それでも相続人ご自身が銀行などの窓口で手続きをするのは大変である場合も多い。相続人が会社勤めで動くのが難しいケースもあれば、ご高齢のため自分で行くのが難しいこともあるだろう。

そのようなときに、1行あたり○円というような費用をかけてでも、司法書士に依頼したいとの需要は確実に存在する。まずは、今のようなかたちであっても、銀行などでの相続手続きを積極的に取り扱っていきたい。

また、法定相続情報証明制度ができたことで、法定相続情報一覧図の作成をご依頼いただけば、相続登記などのご依頼がなくとも戸籍等の取得ができるようになった。

かつては、銀行などでの手続きは自分でするから、戸籍だけ取って欲しいとの依頼があってもお断りするしかなかったのが、今では法定相続情報一覧図の作成を依頼して貰えれば戸籍等の取得ができるわけだ。

ただ、そのような細かな違いが分かっている一般の方がほとんどいないのは当然のことであり、今のところ法定相続情報一覧図の作成のみのご依頼をいただいたことはない。その辺の需要を何とか喚起していきたいところ。

そして、不勉強で知らなかったのだけれども、法務局へ法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出のみをする際には、被相続人の出生時からの戸籍が必要であるとのこと。相続登記の申請とあわせておこなうときは、被相続人の13歳くらいからの戸籍があれば足りるが、法定相続情報一覧図の作成だけの場合にはそれでは駄目だということ。