司法書士事務所が解説しているウェブサイト(ホームページ)へのアクセスは、Googleなどの検索によるのが大多数であるから、自分のサイトが検索結果に表示されないことには話が始まらない。

事務所名や司法書士個人の名前で検索されることもあるだろうが、ほとんどの場合には、ユーザーが求めているキーワードによる検索結果に表示されることでクリックしてもらえるわけだ。たとえば、「司法書士 ○○市」のような感じで検索したときに、上位に表示されるページにアクセスするということ。

したがって、インターネット経由での問い合わせや依頼を獲得しようとするならば、「司法書士 ○○市」のような地域名と業種(司法書士)を合わせたキーワードで上位表示されるのは絶対条件だといえるだろう。ただし、私の経験上では「司法書士 ○○市」のような検索によるアクセスの比率は高くないのだが、それでも「司法書士 ○○市」でアクセスしてきた人は実際に問合せをしてくる可能性が高いと考えられる。

たとえば、「司法書士」の一語で仮に1位になったとすれば、アクセス数は激増するかも知れないが、アクセスしてきた人が問合せをしてくる可能性は低いだろう。そのアクセスは日本全国から来るだろうし、司法書士に相談したいわけじゃ無く、司法書士試験のことを調べている人かも知れないからだ。

これに対して、「司法書士 ○○市」でアクセスしてきた人は、その場所の司法書士事務所探しているのだから、たとえアクセスの絶対数は少ないとしても問合せにつながる可能性が高いのだ。よって、「司法書士 ○○市」での検索上位は何としてでも死守すべきなのだが、最近は検索順位の変動が非常に激しくなっている。

私は、「司法書士 ○○市」などでの検索順位を毎日のように確認しているが、当地においては上位3,4位までのサイトは比較的安定しているものの、それ以下についてはひたすら変動を続けているという印象である。このような状態になったのは昨年9月にGoogleが検索アルゴリズムの変更をおこなった後のことであり、それ以前は毎日のように順位が動き続けるということはあまり無かったはずである。

当事務所のサイトについても、たまに大幅に順位を下げたりするのでヒヤヒヤすることもあるが、時間が経つと概ね定位置に戻ってくるので今のところは何とか無事である状況。けれども、長年に渡ってそれなりの順位にいた事務所のサイトが大きく順位を下げているのを目の当たりにすると、自分がいつまで安泰でいられるのか不安に感じるもの事実。

当事務所がある市町村は人口50万人程度であるが、それくらいの人口がいる街だと当然ながら司法書士事務所も多く、現在では「司法書士 ○○市」で20位以内に入るのも容易でない印象。実際、当事務所が運営しているサイトの中でも、かつては10位以内に入っていたのが、今では20位くらいまで低迷してしまっているのもある。

頻繁に更新をしているメインサイトについては順位が踏みとどまっているものの、あまり手をかけていないサイトについてはすぐに下落してしてしまうといった状況か。他の司法書士事務所の順をみても一時的に上昇してきても、じきに下落してしまっているケースが多い。下落してしまっているサイトは更新を怠っているものが多いと思われるが、それだけでは説明が付かないように感じることもある。

ちなみに、「司法書士 ○○市」で20位になったとしてもほとんどアクセスは得られないと思われる。1位が圧倒的に強いのは当然として、それなりの成果が得られるのはせいぜい3,4位までか。それにもかかわらず、50万人の都市では20位に入るのも難しいとなると、司法書士が新たにウェブサイトを開設して仕事を得ようとするのは非常に難しいと言わざるを得ない。

また、仮に一時的に順位が上がったとしても、それを長年に渡って維持していくのは難しいとすると、継続的にインターネットで仕事を得ていくというのは至難の業だといえるだろう。それでも、毎日ブログなどの更新を続けてコンテンツを充実させていけば、いつしか順位は上昇するし、すぐに下落してしまう可能性も低いとは思うが、必ずしもそうだとは言い切れない。

後は、Google AdSenseなどのPPC(Pay Per Click)広告を使えばすぐにアクセスが得られるだろうが、人気のあるキーワードだとクリック単価が高くかなりの広告費を覚悟しなければならない。インターネットによるマーケティングで司法書士が仕事を獲得していくのも難しい時代に入ったものだと実感させられるこの頃である。