司法書士の名をヤフーニュースで見かけるのは珍しいので思わず記事として取り上げることにした。

11月1日、2017年度の司法書士試験最終合格発表があった。出願者数1万8831人のうち最終合格者数わずか629人。合格率3.3%の難関資格だ。その狭き門を突破し20年以上司法書士として活躍する元プロ野球選手、桧山泰浩氏に『敗者復活 地獄をみたドラフト1位、第二の人生』の中で話を聞いた。

桧山泰浩さんのお名前は存じ上げない。近鉄バファローズに1位指名され6年間在籍したものの、一度も一軍マウンドに上がることは無かったというのだから記憶に無いのも当然だろう。それでも、ドラフトで1位指名されたということは、人々の注目と期待を1度は集めたわけだ。

高卒でプロ野球選手になった人が、引退後に司法書士試験に合格するなんて、並大抵の努力では無理だろう。それも、働きながら2回目の試験で合格したというのだから、本当にすごい話である。

ただ、記事中には「福岡県で有数の進学校である東筑高校」とあるから、高校受験のときにはしっかり勉強をしたということなのだろう。1度しっかりと受験勉強をして、県内有数の進学校に受かったという経験があるならば、司法書士試験の勉強だってたしかに何とかなるかもしれない。

それでも、高卒でも受験資格のある司法書士試験を選び、本当に合格してしまうというのは素晴らしい。自分の場合、一発勝負で手っ取り早く独立できるということで司法書士を選んだのだが、受かっていなかったら今頃どうなっていたことか・・・。

1度は華やかなスポットライトを浴びた人に、司法書士などという地味な仕事が勤まるのかという疑問もある。けれども、この方の場合はプロになってから一度も一軍で登板したことが無いという挫折経験のあることから、変なプライドを引きずらずに気持ちを切り替えられたのかもしれない。

そして、司法書士事務所を開業してから20年が経つというのだから、事務所経営も順調にされているのだろう。ドラフトで1位指名されたという成功体験、そして、司法書士としても成功しているという、2度の成功体験がある人生なんてなかなか送れるものじゃ無い。

地味なサラリーマンから、地味な司法書士に転身した私なんかとは全く違う人生である。今回の記事も全く何のオチもないのであるが、すごい人もいるものだというお話しでした。