朝一番のご相談予約は相続登記について。夫が所有していた土地家屋を相続により妻へ所有権移転。

司法書士にとってはごく簡単な登記であるがご依頼者にとっては初めてのことであり、かつ、夫に先立たれた妻が自分で司法書士事務所に問合せをして相談に出向くというのは非常に大変なことであろうから、初回のご相談時には細心の注意を払って臨むよう心がけている。

経験上、年配の女性からのお問い合わせの場合、見積もりだけで終了するということはほとんど無く、そのままご依頼に繋がるのが大多数である。相見積もりを取ろうというような考えは無く、依頼することを前提にお越しくださるからだろう。

したがって、費用(司法書士報酬)がどうであれご依頼いただける可能性が高いわけだが、もちろん当事務所の報酬基準に則ってお見積もりをさせていただいている。司法書士に電話で問い合わせたら随分高額な費用を告げられたとのお話を聞くこともあるが、事実でないことを願いたい。

適正な報酬で丁寧な仕事続けることにより、再度のご依頼やご紹介が増えてくるということもある。もちろん、ご紹介だけで十分な業務量を確保することは出来ないので、新規顧客獲得のための広報活動は絶対的に必要であるが。

ご相談・お見積もりからご依頼に繋げるには

ご相談・お見積もりのために事務所にお越しいただいたからといって全てがご依頼に繋がるわけではない。

それでも相続登記の場合には、必ず登記をしようとの考えを持ってお越しいただくのが通常なのでご依頼に繋がりやすいとはいえる。これが、生前贈与の相談だったりすると、ご相談だけで終わってしまうことも多い。今する必要は無いかとの結論になったり、所有者の意思能力に問題がありそうだったり・・・。

ご相談・お見積もりをして実際にご依頼いただくには、ご相談者がこの司法書士に依頼しようと思ってくださる必要がある。つまり、1回の面談でいかに信頼感を与えられるかが勝負だといえる。

ご依頼者に信頼感を与えるためには司法書士個人の問題もあるが、それに加えて、事務所内の雰囲気作りなどについても当然ながら配慮が必要だろう。相続登記の報酬となれば、いくら安くたって5万円は下らないはず。それなのに、当事務所は相続登記のご依頼を多数承っていますとかいいながら、1人暮らしの自宅兼用事務所みたいなところに招き入れられたとしたらどうだろう。

これはちょっと極端な例としても、報酬額に見合った事務所の雰囲気というものが必要なのは確かなはず。

面談する司法書士の問題については、やはり経験が必要だと思われるので一朝一夕にはいかないだろう。事務所へ相談にお越しになるのは年配の方も多いから、たとえば20代の若手司法書士がいくら頑張ってもすぐに信頼を得るのは難しいかもしれない。

そういう点では、私自身に関していえば司法書士になって10数年が経ち以前よりご相談者の信頼が得られやすくなっているように思う。若い頃は頻繁に感じた、ご相談者から「何となくなめられている感覚」というのがほとんど無くなった。

これは司法書士として経験を重ねてきたせいもあるが、自分がアラフィフといっても良いくらいの立派なおじさんになったのが最大の要因か。あんまり老け込むのも問題だろうから、何とか今くらいの状態を少しでも長く維持していきたいものだ。

司法書士事務所を開業したいと考えている若手には厳しい話かもしれないが、経験のある(またはありそうな)おじさん司法書士は面談さえすれば大体ご依頼をいただける。若手がそれを超えるには、何か違ったアプローチ方法を考えるべきだろう。

今日も(ほぼ)毎日更新のための殴り書きなので、話半分だと思ってお読みいただきたい。もちろん、嘘を書いているつもりはないが。