新型コロナウイルスの感染拡大により、4月7日に緊急事態宣言が出されたことで、不要不急の外出自粛が要請されている。

「職場への出勤は、外出自粛等の要請から除かれる」とされていることもあり、出勤時間帯の駅にはそれなりの人がいるものの、普段は満員だった電車もガラガラになっており、街にいる人の数も明らかに少ない。

また、週末の繁華街からも人の姿が消えている一方で、住宅地域のスーパーなどは買い物客で普段よりもごった返すような状況もあるようだ。しかしこれも、日常の買い物は自粛の対象では無いとされているからであり、不要不急と考えられる目的での外出は避ける人がほとんどであろう。

そんな状況下にあって、当事務所では4月に入ってから新規のお問い合わせが激減している。今のところは、3月までにご依頼があったものについての処理で割と忙しい状況であるが、すぐにやるべき仕事はそろそろ尽きてきた。

このままだと来週あたりからは暇になってくるだろうし、このままの状況があと1ヶ月も続けば、緊急性のある手続きについての相談等は多少あるはずだとしても、新たな売上の発生はごく僅かになってしまうことだろう。

当事務所の場合、ウェブサイト経由でお問い合わせくださった個人のお客様からのご依頼が大多数なので、外出自粛要請中の新規ご相談が減ってしまうのは当然だといえる。そもそも、来所によるご相談の希望があったとしても、事務所内に見知らぬ人を招き入れるのはできるだけ避けたいというのが正直なところであるし。

4月に入ってからも売上は変わらないという司法書士事務所ももちろんあるだろうが、今の状況が続けばどこも仕事が減っていくのは間違いないだろう。街から人の姿が消え、様々な業種において今後の経営に致命的なダメージを受けつつある中で、司法書士事務所が影響を受けずに済むなんてことはありえない。

ただ、当事務所の場合には、先にも書いたように「ネット経由の個人からのご依頼」が大多数だという特殊性があるため、今回の外出自粛要請の影響がとくに甚大であるのだと思われる。それほど経費がかかっているわけでも無いから、極端な話をすれば、これから1年間売上がまったく無くても少し蓄えが減るだけのこと。

しかし、本当にこれから数ヶ月もの間、売上がほとんど無い状況が続いたとすれば、今の仕事のやり方を変える必要が出てくるかもしれない。さらに言えば、状況が好転しないならば、事務所を閉めてしまって、別の商売でもした方が良いという判断もあり得るだろう。

コロナウイルスの感染がいつ終息していくのか全く分からないとしても、極端な決断をするには明らかに早すぎるのだが、苦渋の決断により店を閉めている飲食店などを見ると、この数ヶ月間のうちに社会が激変していくのは避けられないと感じる。

先が全く見えない現状だが、今は何もせずひたすら耐えるしかないか。