家庭裁判所へ相続放棄の申述をすると、その後に書面による照会がおこなわれるのが通常である。

具体的な流れとしては、家庭裁判所へ相続放棄申述書と戸籍等の添付書類を提出してからしばらくすると、照会書・回答書というような表題の書面が家庭裁判所から送られてくる。そして、この回答書に必要事項を記入してから家庭裁判所へ返送することで、相続放棄の申述が受理されるわけだ。

この照会書(及び回答書)が届くまでにどれくらいの期間がかかるかといえば、その時々によってまちまちだとしかお答えしようがない。早ければ申立てから1週間くらいで発送されることもあれば、1ヶ月以上かかる場合もある。とくに昨年から現在にかけては、新型コロナの影響により更に時間がかかることもあったりするので、いつになったら照会書が届くのか心配になったりすることがあるのも事実。

そんなわけで、今年に入ってから申立てをおこなった相続放棄について、照会書が届かないとのお問い合わせが立て続けに入った。1件については、お問い合わせがあった翌日に再びご連絡があり照会書が届いたとのことだったが、もう1件については、申立てから1ヶ月近くが経過しているがまだ届かないようだ。

相続開始から3ヶ月以内に相続放棄申述書の提出をしてれば、その後にどれだけ時間がかかっても問題はないのだし、ご依頼者にもそのように説明しているのだが、やはり心配になるのも理解できる。そして、家庭裁判所からの文書は普通郵便で送られてくるから、郵便物が届かないという可能性も僅かながらあるだろう。

そこで、申立てから1ヶ月が過ぎてしまったようなときには裁判所へ問合せをしてみることもあるのだが、当然のことながら、まだ処理中のため発送していなかったというのが全てであった。もしかしたら、問合せをしなかったらそのまま放置されていたなんて可能性もゼロではないかもしれないが、まあ普通はあり得ないことだろう。

というわけで、相続放棄の申述をしてから照会書(回答書)が届くまでには、1ヶ月以上かかることも珍しくはありませんというお話しでした。もちろん、申立てをする際には郵送であっても、書留郵便等によるべきであるのは当然です。そもそも、相続放棄申述書が熟慮期間内に家庭裁判所へ届いていなければアウトなので。