土地4つ、建物1つが共同担保になっている抵当権の抹消登記。さらに、今回は各不動産について2つずつの抵当権を同時に抹消する。つまり、合計10個の抵当権抹消を一申請で一括しておこなったというわけだ。

抹消する抵当権は次の通り。なお、順位番号が複数あるので「登記の目的」ではなく、不動産の表示のところに書く。

・ 土地×4 3番(い)抵当権、4番(い)抵当権
・ 建物×3 1番(い)抵当権、2番(い)抵当権

共同担保になっている抵当権ごとに2つの申請で抹消登記をおこなってももちろん差し支えないが、同一の権利者のためにされた数個の抵当権であり、登記の目的並びに登記原因及びその日付が同一であるのだから、全てを一括して申請することが可能なわけだ。

同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について申請する登記の目的並びに登記原因及びその日付が同一であるときは、複数の不動産について同一申請が可能(不動産登記令4条)

1個の不動産につき同一の権利者のためにされた数個の抵当権及び根抵当権の設定の登記を抹消する場合において、抹消の原因及びその日付が同一であれば、同一の申請書で抹消の登記を申請することができる(登研434号)。

2件で抵当権抹消登記申請をすれば登録免許税が1万円かかったのが、1件で申請すれば5千円で済む。司法書士報酬も1申請分になるから低く抑えられることになるだろう。

無理に一括申請しようとして失敗するくらいなら、複数の登記申請に分けた方が良いとの考え方もあるだろう。もしくは、優秀な司法書士であればどんな場合に一括申請が可能であるのか瞬時に判断できるのかもしれない。

しかし、私の場合はちょっと入り組んだ登記になると、果たしてこれで大丈夫なのかといつも頭を悩ませている。抵当権抹消登記くらいで悩まないようになりたいと思いながら開業から10数年が経ってしまった・・・。

さらに今回は登記識別情報を10件入力しなければならなかったので、こちらもなかなか厄介であった。抵当権抹消登記1件なのでたいした報酬もいただけないわけだが、こういうのも頭の体操と考えるべきか。とりあえずは無事に完了することを願う。