みずほ銀行の預金相続手続きについて備忘録的に記しておく。その前に、銀行預金等の相続手続きのご依頼が増えているお話し。

1.司法書士による銀行預金等の相続手続き
2.みずほ銀行の預金相続手続き

1.司法書士による銀行預金等の相続手続き

最近は銀行や証券会社における相続手続きをご依頼いただくことが非常に多くなっている。これは、当事務所のウェブサイト等による広告宣伝が成功しているからなのか、全般的に司法書士への依頼が増加しているかなのか、もしく今だけ偶然に集中しているのかは不明であるが。

今のところは、司法書士自身が銀行等の窓口に出向くのを原則としていることもあり、報酬面ではあまり割がいいとは言えない状況。遺産承継業務として「遺産の○%を報酬とする」というような報酬設定ではなく、銀行等の1件あたり○円みたいな受任の仕方がほとんどなので。

それでも、多数の手続きを取り扱っていくことで、もっと効率的に処理がおこなえるようになれば、今後の業務として有望であると考えている。当事務所の場合、現時点でも相続登記等のご依頼がとても多いので、銀行預金等の手続きもあわせてご依頼いただければ、1件のご依頼あたりの報酬額が増えることになるし。

もちろん、ご依頼者が自分でできることを無理に勧めるようなことはしないが、ご高齢のため自分で銀行窓口に出向いて手続きをするのが大変な方、また、平日の昼間に自分で銀行窓口へ行くくらないなら、お金を払ってもいいから司法書士に任せたいとのニーズも結構ある。

ところで、最近では司法書士が委任状を持って銀行預金の相続手続きに行っても、当たり前のように普通に対応して貰える場合が多くなった。たとえば、残高証明書の請求について、相続人中の1名からの委任状(遺産承継業務用の包括的な記載のもの)があれば、請求書等の記入は全て代理人がおこなえるなど(ゆうちょ銀行を除く)。

2.みずほ銀行の預金相続手続き

以下は、今回おこなったみずほ銀行の預金相続手続きについて備忘録的に。

相続人が2名いる場合で、そのうちの1人が代表相続人として預金全額の払い戻しを受けた後に、その一部をもう1人の相続人へ交付する。

この場合、委任状は払い戻しを受ける相続人1名からのみでOK。遺産分割協議書があれば、みずほ銀行の「相続関係届書」への記入は代理人がおこなえばよい。

この遺産分割協議書に記載した条項は次のような感じ。

相続人AおよびBは、被相続人名義の下記銀行預金をAが4分の3、Bが4分の1の割合で取得する。なお、Aは代表相続人として下記銀行預金の全額の払い戻しを受け、その払い戻しを受けた金額の4分の1をBに交付するものとする。

窓口で最初は「これで1人に払い戻しできるのか?」、できたとしても「委任状は1人からでいいのか?」というような反応だったが、確認して貰ったところすぐに問題ないとの回答が得られた。

このようなシンプルな銀行預金の相続手続きであっても、相続人自身が手続きをするのは大変な場合も多いと思われるので、潜在的な需要は需要はかなり多いであろう。