抵当権と買戻特約登記の抹消のご依頼をいただいた。

登記原因は「○番付記1号買戻権抹消」で、登記原因は「年月日 買戻期間満了」である。当たり前のように書いたが、買戻特約登記の抹消なんていつやったか記憶に無いし、もしかしたら初めてのような気もする。

なお、抵当権については、抵当権者である住宅・都市整備公団から独立行政法人都市再生機構に抵当権移転登記がされているが、買戻特約の買戻権者は住宅・都市整備公団のままになっている。

とりあえずネットで調べてみると、都市再生機構の買戻特約の抹消は嘱託によりなされるなんて記述もあるが、今回のは違うようだ。

ご依頼者が持参した、都市再生機構による「権利抹消関係書類の交付について」との文書に「なお、抹消の手続きは貴殿において行っていただきますので、ご自身または司法書士に依頼して、管轄法務局へ同封の交付書類を添えて、登記抹消申請書を提出してください」と書かれているので間違いなかろう。

登記申請書の作成については、都市再生機構の作成による登記原因証明情報があるしとくに頭を悩ませることも無い。念のため、不動産申請マニュアル(新日本法規)で書式も確認し。

結局、抵当権抹消登記と同じような感じで作れば問題ないわけだが、違いは登記義務者の印鑑証明書が必要なこと(今回は、書類を受け取ったばかりだとの話だったのに、印鑑証明書の有効期限があまり残っていなかった)。

また、買戻権の抹消について登記上の利害関係人が存在する場合、その利害関係人の承諾書(印鑑証明書付)も必要。

司法書士であれば何も難しいところの無い登記であるが、一般の方が自分で手続きをおこなうのは難しいだろう。登記申請については、抵当権抹消と買戻権抹消の連件でおこなうので、不動産登記の知識が無い方にはやはりハードルが高いと思われる。

ちなみに、今回のご依頼では登記名義人住所変更も必要だったので、登記名義人住所変更→買戻権抹消→抵当権抹消の登記を3連件で申請した。

ご依頼者にとっては抵当権抹消の依頼をしたつもりが、3件も登記をして随分費用を取られたと感じたかもしれない。丁寧にご説明しているつもりではあるが、買戻特約などといきなり言われても普通は理解できるはずが無いし。

登記名義人住所変更と、抵当権抹消の2件の場合でも、マンション(敷地権付区分建物)で敷地が複数になっている場合など、随分と費用が高くなってしまい申し訳ない気持ちになることがある。

抵当権抹消登記など何度もやることでは無いから、まあ仕方ないと思っていただくしかないのだが。