ゆうちょ銀行での相続手続きの話。

郵便貯金の相続手続きをする際は、郵便局に必要書類を持参して、郵便局から「貯金事務センター」に書類を送付してもらうとの流れになっている。

そのため、郵便局に書類を持参した時点で担当者のチェックが入るわけだが、同じ郵便局であっても担当者によって言うことが違うこともあるので非常に厄介。

それこそ、前回の担当者が近くにいても、その人に確認すらしてくれなかったり。当地にある郵便局に特有の問題なのかもしれないが、ここで書くのは実際に起きたことであるのは事実。

とくに問題になるのが手続きをする際に使う、依頼者(相続人)から司法書士に対する委任状。

郵便貯金の相続手続きのために使う、ゆうちょ銀行の書式による委任状には「お手続きを委任する方がすべて自筆でご記入ください」と書かれている。

しかし、受任者(代理人)の住所氏名を含めて、全てを委任者が自筆するというのはとくにご高齢者にとっては負担が大きすぎる。

それでも郵便局の窓口では頑なに委任者の自署を求めてくるし、相続コールセンターに確認しても同様の対応であるため、ゆうちょ銀行については仕方ないかと半ば諦めていた。

ところが、以前の記事(かんぽ生命の相続手続き(解約返戻金額証明書の発行など))へいただいたコメントによれば、署名のみ自筆、その他は必要事項を印字した委任状で手続きが可能であるとのこと。

そこで、委任状はゆうちょ銀行のものをそのまま使い、「受任者」や「委任する内容」を印字した後に、ご依頼者には住所氏名のみを書いていただくことにした(ゆうちょ銀行の委任状はこちら)。

なお、スキャナで取り込んだ文書に、文字を位置合わせして入力できるソフトを使えば、上記のような作業は容易である(司法書士であれば、商業登記での印鑑届を作成するときなど、同様の作業をする機会はあるかと)。

ゆうちょ銀行の書式に書かれている事項を全て入れた委任状を独自に作成することも考えたが、ゆうちょ銀行の委任状をそのまま使う方が、窓口で拒否される危険性が少ないと考えそのようにした次第。

さっそくその委任状を持参すると、全く問題なく手続きがおこなえたので一安心。これで委任状問題は一件落着かと思っていた。

ところが、別のご依頼者の件で同じ郵便局へ委任状を持参すると、今度は駄目だというのだ。担当者が違ったので、前回の人は大丈夫だったと伝えても確認すらしてくれないのは上記のとおり。

このときの担当者の言い分は次の通り。

委任状が全て自筆されていない場合には、委任者に電話で確認をする。電話はNTTに登録されている番号以外にはしない。登録されている番号でなければ本人確認にならないから。

つまり、電話帳、または番号案内(104)で確認できる番号以外には電話しないというのだ。登録していない人については、全て自筆する以外の方法は絶対にないと。

今どきそんな本人確認の方法はあり得ないのだが、埒が明かないのでその日は受け付けてもらうのを諦める。

仕方ないので、市内で一番大きい郵便局(かつての分類でいう集配普通郵便局)へあらためて持参してみることに。そこでの取り扱いは、たぶん正式なものに最も近いであろうから、それで駄目なら諦めようと思ったわけだ。

すると、全く問題なく受付完了。

とりあえずは今後もその郵便局へ行ってみることにするが、ゆうちょ銀行の取り扱いはあまりにヒドいことを再確認。

なお、郵便局へ実際に行っているのは補助者なので、私が実際にやり取りをしているわけでは無い。

ただし、たとえ私自身が行って、「駄目でもいいからとりあえず書類を貯金事務センターへ送ってくれ。後のやりとりはこっちでする」というような話をしても、絶対に受け入れないのであろう。

そこで、激しい言い方をしてしまったりすると、絶対にこちらがクレーマー扱いを受けることになるであろうから、私自身は交渉に行かない方が良いと思っている。

ゆうちょ銀行の相続手続きで使う委任状は、「住所氏名のみを自筆すれば、後は印字でも問題ない」というのが、どこの郵便局でも通用するわけではないのが今回の結論。

もう、個人による交渉では無理なので、誰かに何らかの方法でゆうちょ銀行と正式に協議していただきたいところ。